2702「Mさん珠玉集-その1-」2022.5.19 自分で自分を自分するから

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今回は立花大敬さんの青空ひろばの2022年5月14日の記事を紹介します。

「Mさん珠玉集-その1-」

Mさんに「人生の祝福(ある無名戦士の詩)」を訳していただきましたが、多くの仲間の皆さんが共感して下さいました。やはり、「本物」は人の心の奥底までしっかり届くのですね。

Mさんは国家の要職を勤められ、今は定年退職されて大学で英語学を教えておられるそうですが、そんな激務に携わりながら、岡田擔雪老居士(僧籍に入らない禅の師匠のことを老居士と呼ぶ)などのご指導を受けられて修行を続けて来られたのだそうです。

激務の中で、そのように一貫して禅修行を続けて来られ、しかもMさんの悟境が偏りのない、寛容性があるものであることに感嘆して、お仕事と禅の修行をどのようにして両立して来られたのですかと質問し、また、世界のいろんな聖者の珠玉の言葉をたくさんノートに書き付けていらっしゃるということなので、それを仲間の皆さんに紹介させて頂けませんかとお願いしたのに対してのMさんのご返事です。英語の原文も掲載して頂きました。若い仲間の英語の勉強にもなると思うので…。

以下がMさんのお便りです。

立花大敬先生

先生におかれては、素晴らしい若葉の季節を楽しんでおられることと思います。

仕事が忙しいのに私に修行する余裕があったかという問題ですが、岡田先生からは、「仕事を修行にしなさい」と言われていました。「仕事と修行とを二つに分けるな」という言い方もされました。

岡田先生ご自身が日々の医業を坐禅と一つにしておられたと存じます。

自分の仕事の上では、悩ましいことが次から次にあったのですが、岡田先生が植え付けてくださった種がどこかにあって、知らず知らずのうちに仕事を修行にしていたのかも知れませんが、自分ではそんなに上手にやってきたという感じはありません。七転八倒してきたというのが実感です。

古則公案が普通の意味の公案であるのに対し、目の前にある人生上の現実の問題を現成公案と呼ぶ言葉の使い方があるようですが、目の前に出てくる問題を公案だと思うと、嫌になって投げ出すことなく、「ああでもない」「こうでもない」と、ねちっこく取り組み続けられる(拈提できる)ように思います。

※拈提(ねんてい):古則公案を提起して修行者に示すこと。またそれを工夫参究すること。

英語の珠玉の言葉というお話もありました。たくさんの言葉をノートに書きつけてあるので、何をどういう順番で選ぶのかがどうしても恣意的になりますが、今日は、Byron Katie さんの言葉をいくつか以下にご紹介します。

You don’t have to know what to do. It’s revealed to you.

(何をすべきかを(前もって)知っている必要はありません。それはあなたに明かにされるから。)

村田諒太さん(この間、世界タイトルマッチをされた方、トータルヘルスデザインの近藤太郎さんは村田さんの後援会長をしておられる)の愛読書がフランクルさんの『夜と霧』だそうですが、フランクルさんは、何がそのひとに求められているかを人生はいつも知らせてくれている、という意味のことを仰っており、それに通ずるものがあります。

What actually happens is the best that can happen, whether you understand it or not.

(起きることは起きるべき最善のこと、それをあなたが気づいているかどうかにかかわらず。)

When you no longer believe the thought that you need to achieve anything, the world becomes a

much kinder place.

(何かを達成しなければならないという考えから解放されると、世界はずっと優しい場所になる。)

You notice that everything is continually disappearing, and you celebrate as it goes.

(すべてのことが常に消えていることに気づきます。そしてあなたは、それらが消えるのをお祝いするのです。)

それでは、また。ご自愛ください。 松永拝

(大敬)どうですか、素晴らしいでしょう。これからも時々珠玉の言葉をMさんから届けて頂くようにしますね。