ミネハハさんからいただいた書物です。
世にいう「松下村塾」は山口県萩にあります。
ご縁あって昨年初めて訪問が叶いました。
十畳と八畳の二間だけの塾です。
そこでしかもたったの二年間だけの開塾でした。
その間習った方々の中から高杉晋作、伊藤博文、
山形有朋など、のちの総理大臣二人、国務大臣七名、
大学の創設者二名などなどを輩出しました。
松陰は塾生の方々に言います。
「決して私が皆さんに教えるという事ではなく
皆さんと共に学びたい。ともに真剣に語り合いましょう」
そして30歳牢獄に囚われ、死罪に。
死罪が近づいたある日松陰はご両親に
いつもは出すことのなかった別れの手紙を
送ります。
「親思う心にまさる親心
今日の音ずれ なんと聞くらん」
子が親を思うこころに、はるかにまさる
親が子を思うこころ。
今日のわたくしの死罪の知らせを
お聞きになって父上、母上はどんなお気持ちだろうか。
その句に涙しました。
「君たちはどう生きるか」
松陰は問いました。
100年や200年後の国の将来ではなく
3000年先のこの国の将来を憂えていた松陰です。
「身はたとひ 武蔵の野辺に 朽ちぬとも
留め置かまし 大和魂」
松陰辞世の句です。