森 信三 運命をひらく 365の金言 27 「偉人に対する三通りの態度」

偉人に対する三通りの態度

 人間が偉人に対する態度に三通りある。
第一は偉人に対して無感覚な人間で、
   これは精神的にはすでに死んでいる人間である。
第二は偉人の偉大さに感心している人間である。
第三は偉人に肉薄してゆく人間である。
  それはその偉人の精神を継承し現実に
  開顕する人である。
この気迫がないようでは、人間も生きている
ほんとうの価値はないといってよい。

森 信三 運命をひらく 365の金言 28 「順逆を越える」

順逆を越える

 人間は、この「暑い」「寒い」と言わなくなったら、そしてそれを貫いて行ったとしたら、やがては順逆を越える境地にも至ると言ってよいでしょう。ここに私が順逆というのは、ていねいに言えば、「順境逆境」ということです。
 ですから順逆を越えるとは、逆境に会ってもへこたれないということです。この境地にまで至らないで、ただ、「暑い」「寒い」と言わないだけでは、実はまだ痩我慢の域を脱しないとも言えましょう。
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森 信三 運命をひらく 365の金言 29 「仕事に没入」

仕事に没入

 人間も、地位や名誉を忘れ得ぬ間は、いまだ心に隙ありと知るべし。さりとてまた最初から地位や名誉を欲せぬような人間も役に立たず。

 人一倍地位や名誉を欲する人間が、飜身(ほんしん)一転すべてを投げ打ちて、仕事そのものに没入する時、かえって地位や名誉も伴い来ることを常とす。

 ただし現実界ゆえ必然にとはいえず、ゆえに根本の根は、必ず切断し置くを要す。

森 信三 運命をひらく 365の金言 30 「報謝」

報謝

人間は職業に対する報謝として、後進のために実践記録を残すこと。
この世への報謝として「自伝」を書くこと。
そして余生を奉仕に生きることーー
この三つは、人間としての最低の基本線でどうしてもこれだけはやり抜かねばならない。