真空に徹するところ、個性の天真は自らにして躍り出ずるなり。一念個我の念の存する限り、真に純乎たる天真の顕現とは言い難からむ。
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或いは寝ね、あるいは厠へ行き、食をとり、さらに学問する等々、その外形は千変万化すとも、その根本に内在する一心の緊張は、常持続、常一貫を要すると知るべし。
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順逆一如の諦観は、その中にすでに死・生一如の安立を含む。自己一身の名利の念を脱し得ざる間は、真に国のためと言うを得ず。己身の
名利の悩みを脱し得て、初めて真に国と民族とを説き得べし。ここに至って学問の道初めてその極処に達すというべし。
学問の道げに遥かなるかな。学人たるもの、その始めに当たって深く覚悟するところあるべし。