再録 随想 伊路波村から15~夢

山奥の細い道を誰かに載せていただいて、
乗用車が走る。

到着した作業現場にいる
以前からの顔見知りさんにご挨拶。
明日からここで働くんだ。

土木工事の作業現場宿舎で少ない荷を解く。
その日は眠ってしまった。

朝がきて、バイクに乗って高速道路の現場の
工事状況を視察する。

隣の工区との境も過ぎて、いつしか
道路の工事区間をも離れ、山奥の
大きな川の分岐点に座って、川の流れを眺めている。
「また働くんだ・・・ここで。」
となんだか憂鬱な気分。

帰り道、土を運ぶトラックやショベルカーと
なんども行き交う。

そしてショベルカーが土をトラックに積み込んでいる
場所で、ぼんやりとその光景を眺めている。
「みんなどうしているんだろう・・・・・・。」
と思う。
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学校から通知が来た。
もう一年大学に通わなくてはならない。

それも働きながら。
落とした単位を取得するために。

学校への長い坂道を歩く。
事務室で手続きを済ませ。

何をいつ受講すればいいのかを聞く。
初の受講日が来た。
教室を必死で捜すのだが見つからない。
空ける部屋、空ける部屋、知らない人と
先生ばかり。

なんだかイヤになって、受講をあきらめる。
そして結局、一年間一度も受講しなかった。
それでももう学校からは通知が
こなくなった。

「ああもう勉強しなくていいんだ。」

物凄く大きな安心感が体中を包む。

幾度も見た夢のお話。(笑)