再録 霊性の旅 8~ティアワナコ遺跡・ボリビア

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1995年ボリビアを訪ねた。標高4000mの都市ラパスの初日は
頭がガンガンしていた。翌日ラパスからバスで約3時間の行程にある
ティアワナコ遺跡に向かった。グラハムハンコック著「神々の指紋」
の中にもある「太陽の門」で有名な古代遺跡である。一説には秦代の
徐福が創った都とも言われている。


まさにデコボコの道を胃がゆがむほどの揺れを楽しみながらの道行き。
コカの葉をかみすぎて口びるが紫色のKさんは最後部で殆ど気を失っ
ていた。
やっとのことで到着。料金を支払い、皆は鉄条網を他の人にあげてもらって
遺跡の中に入る。フラフラになった頭でくぐる。10mほど歩くと、やたら
に目が潤んできた。皆に気づかれないように歩いていたが、足が勝手に速足
になる。え~!空気が薄いから走ると頭が痛くなるのに!!
さらにグングン皆を引き離し、足はまた勝手に走り出すかのような勢い。も
う鼻水とこみあげる涙で顔はグショグショだ。100m程の道を高台へ高台
へと駆けている。そして高台に着いて、ある石の横でピタリと身体が止まっ
た。何だろう・・?何だったのだろう・・・?
はるか下方の平原から吹き上げる風が心地よい。その昔、農業をするために
その平原にはビッシリと炭が埋設されていたらしい。一段低くなった広場の
ような四角い場所は四方壁に囲まれている。その壁に世界の民族の顔がビッ
シリと彫られている。その昔、刑が執行された石塔付近に立ち、丁度門のよ
うになった壁の窓から「太陽の門」を観る。ぼうぜんと立ち尽くす。古代の
人々もここから太陽の門を観たのだろうか。
昂ぶる心を落ち着かせ、やっと遺跡の丘を降りた。
上海玉仏寺、剣山に続いての激しい奇妙な体験だった。
私たちの今は、古代にまで縁ながっているかもわからない。