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今回は「いっぷくからのありがとう」さんの2022年04月19日の記事を紹介します。
「子供が教えてくれた」
今日のお話は、以前ご紹介したこともありますが、最近読者登録くださった皆さんの中にも、
同じようなことで苦しんだり、悩んでいらっしゃる方がいる様でしたので加筆して掲載します。
小林正観さんが、悟った瞬間と言っても良いお話かもしれません。
日常の何気ない生活の中や、絶望のさ中と思われる時に、神様の導きが行われることがよくあります。
神様の奇跡は、決してサーカスのように鳴り物入りで、耳目を集め起きることではないと思います。日常の何気ない生活の中にこそ、神様の様々な奇跡が行われています。
正観さんは、ブッダや、空海の弟子の時もあったそうです。
<引用開始>
30歳のとき結婚しました。結婚後3年間は子供ができませんでした。
33歳のとき、子供を授かりました。なかなかできなかった子供なので、よろこびの「慶」を命名しようと心待ちに待っていました。
7月14日(パリ祭の日)、その子が生まれました。 知恵遅れの障害児でした。
別室に呼ばれて、私は医師からこのように宣告されることになります。
「この子は先天的な障害児です。手術によっても、薬によっても、リハビリによっても治ることはありません。この子は生まれなかったものと思ってください」・・・。
目の前が真っ白になりました。
「目の前が真っ暗になる」という表現はよく使われますが、実際に体験した者の立場で言うと、真っ黒になるのではなく、真っ白になるようです。
真っ白になった風景が徐々に薄れていき、目の前に再びその宣告をした医師が見えたときは、その医師を含む部屋中の風景がモノクロになっていました。
白黒だけのグラデーションの世界です。
それから半年間、私は色の付いていないモノクロの風景を見ることになりました。
一番困ったのは、天気がわからないことでした。
窓の外を眺めても、晴れているのか(空が青色なのか)、曇りなのか、雨なのか、見ただけではわからないのです。
季節感もなくなり、花の色、緑の色、木の肌の色、そして人の顔色なども全くわかりません。
半年ほどたった1月16日は休刊日でしたので、私は15日に届いた膨大な付録の部分を読んでいたのです。その記事の一つに、このようなものがありました。
── 新生児の600人に1人は、障害を持つ子供が生まれる。
あなた方も20歳になって、将来結婚をするであろうから、その生まれる子供に障害児が生まれてくる可能性もある。
そういうこともあるのだ、ということを知っておきなさい──
というようなとても短いコラムでした。
このコラムを真剣に受け止めた人は少なかったと思います。
ただ、私にとっては、この小さなコラムが救いでした。こう思ったのです。
「慶子ちゃん、うちに生まれてきてよかったね。
600人に1人、障害児として生まれてくるのであれば、
慶子ちゃんは、どこかの家を選んで必ず生まれなければならなかった。
そのときに、小林家の両親を選んだというのは、ものすごく良い選択をしたと思う。
私は障害がある子をいじめたり差別をしたりはしないし、私の妻もやさしい人だから、いじめたり差別をしたりはしない。
慶子ちゃんは、そういう両親を選んで生まれてきたんだね」
とそう思った瞬間に、半年前に失っていた「色」が戻りました。
風景に色が付いたのです。
瞬間の出来事でした。
半年間、私は苦しんでいました。悩んでいました。
なぜなら、生まれた子供を受け入れることができなかったからです。
しかし、そのとき、目の前に乗り越えるべき大きな障害や、障壁が立ちふさがっていると思っていたものが、実は 幻 であったということに気が付いたのでした。
私自身が障害や障壁だと思っていた大きなものは、私の認識だけの問題 だったのです。
私が「慶子ちゃん、よかったね」と思えた瞬間に、その問題は消滅していました。
努力や苦労をして乗り越えたのではなく、乗り越えなければならないと思っていた障害や障壁が、その1月16日の瞬間に消滅したのです。
乗り越えたのではありません。乗り越える必要がない状態になったのでした。
生まれてからわずか半年後に、この慶子は私に大きなことを教えてくれました。
悩み・苦しみというのは、実はその目の前の現象を否定し、受け入れないところから生じているのだということを。
私たちが目の前の現象について悩んだり、苦しんだりしているときは、
それを受け入れていないということなのです。
否定をしているということにほかなりません。
<引用終了>
小林正観さんは、この障害を持つお嬢さんの誕生によって、大きな気付きを受け取りました。
まるで神様からの贈り物ですね。。
ですが正観さんでさえ、その悟りまでに半年を要しました。
苦しみの原因は、それを受け入れていないと言う事。
受入さえすれば、一瞬でそれは苦しみではなくなると言う事
これこそが、ブッダの説いた「般若心経」の真髄です。
悩み、苦しみの種に見えた現実を
・受け入れた瞬間、
・感謝できた瞬間
それは、恵みの種に変わったのでした。
この気づきによって、悟りによって、どれだけ多くの方が、正観さんの著作や、講演を通じ
救われたことでしょうか?
慶子ちゃんの誕生によって、絶望の淵にまで落とされていた正観さん、そして半年後の悟り、
そしてそれが開花して、何十万人もの多くの人の心の救いに繋がりました。
それは、全て慶子ちゃんの誕生から始まりました。
慶子ちゃんが生まれなければ、
後に、これほどまでに多くの人の心が救われることはなかったのです。