奥の院通信から R4 4/5 「ロシアはソ連の後継国家ではない」

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 現在のロシアはかつてのソヴィエト連邦(ソ連)の後継国家ではない。我々日本人にとっては、かつてのソ連は決して友好国ではなかった。日本が先の大戦を終える直前に、それこそ日本国並びに満州国(双方とも隣国)を侵略してきた国である。日ソ両国の間には不可侵条約があったにも拘わらず、彼らはこれを一方的に無視して、昭和20年8月9日(終戦は15日)に突然侵略を開始してきた。

 更に彼らは、8月14日に日本が連合国の要求したポツダム宣言を受諾し、戦争を終えたにも拘わらず、突然日本国と満州国に攻め込んできたのであった。そして、そのまま侵略を継続し、満州国と日本国の民間人に、言葉では言い尽くせない惨害をもたらした。だから、日本国民はソ連という国家に対しては、決して良い印象は持たない。当然のことである。

 時は過ぎて、1991年ソ連は突然解体され、15の共和国に分裂した。ロシアとウクライナはそのうちの一つの国家となった。
 現在は、日本はサンフランシスコ講和条約で独立を回復し、国際社会の一員となって、国連にも加盟し、国際社会に大きく貢献している。ソ連は1991年に解体し、国家としては消滅した。しかし、その地域の大部分を領土とするロシアが建国された。しかし、日本とロシアは双方とも、大使は派遣しているが、国交をいまだ結んでおらず、外交関係のない、国家としては無関係の関係である。

 日本とは無関係の関係にあるロシアであるが、彼らはソ連の後継国家ではない。しかし、ソ連は東西冷戦時代が50年続いたために、日本人は現在のロシアを、ソ連の後継国家と思っている。そして、ソ連との余り宜しくない印象をそのまま抱き続けている。それを回復なり修復なりの努力は双方しているのであろうが、その成果は上がっていない。

 ソ連解体後のロシアは、新たに生まれてきた国家で、旧ソ連の領土と国民の一部(大部分)を引き継いでいるが、国體を引き継いでいるわけではない。旧ソ連は奥の院・ディープステート国家であった。今のロシアは、逆に彼らに抵抗している国家である。抵抗するから虐められる国家である。その虐めが今回の紛争の底流にある。

 ここで、ロシアと隣国に生まれたウクライナとの間に突然紛争が勃発した。そして、大方の日本人は、かつてのソ連とロシアを同一国と見て、ロシアを悪者扱い、ウクライナを可哀想な国として同情している。理由は良く分かるが、事実に基づくのではなく、同情(感情)に基づいて行動を起こすことは危険である。ほとんどの日本国民は、ウクライナと言っても余り認識はない。

 ロシアは日本の隣国であり、これから双方平和条約を締結すべく努力している。ウクライナとの外交関係も、ロシアと同じであるが、平和条約締結の努力をしているわけではない。外交的には無関係の関係である。ただ、ウクライナは日本にとっては余り好ましくない北朝鮮との関係が親密で、北朝鮮の核開発に技術協力するなどして、間接的には日本と敵対しているとも言える。

 ロシアとの関係については、日本人は大いに関心を持っているが、今回のロシアとウクライナとの間の紛争勃発までは、ウクライナには関心がなかった。しかし、今回の両国の紛争勃発を機に、日本はロシアを悪者扱いし、ウクライナを被害国として同情し、その上、実際に援助する関係になりつつある。ウクライナから移民を受け入れようとしている。日本人が個人的にウクライナに同情することは構わないが、日本国が「ロシアは悪者」、「ウクライナ良い国・可哀想な国」と決めつけて、実際の国策にそれを持ち込んだら、余り良くない。
 
 プーチンはソ連のかつてのKGB出身で、独裁者、侵略者と叫んでいる人が多いのには驚く。今回の紛争で、ロシアの立場も理解しようとすることも許さない。少しでもそのような発言をすると、プーチン擁護、侵略支援と叫ぶのである。

 今、ロシアとウクライナの間に起きている事実を見ようとしない。双方とも事実を明かさないで、フェイクニュースを流している可能性もあるのに、ロシア側の言うことは嘘でプロパガンダだと決めつけ、ウクライナの言い分はそのまま垂れ流している。国民がロシアを憎み、ウクライナに同情するのは当然の成り行きである。

 しかしここで、日本は国として反ロシア・親ウクライナの政策をとることには問題が残る。その意味でも、今回ウクライナのゼレンスキー大統領に国会演説をさせたのは問題である。そうであればプーチンにも日本国民に向けて発言する機会を与えるべきである。そうでなければ、日本国民は正しい判断ができない。大切なことは事実である。事実がはっきりしないうちに、具体的な政策をとるべきではない。願わくば、偏りのない事実を、日本国民に提供して欲しいものである。