奥の院通信から R4 4/3 「ゼレンスキーの国会演説」

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 先月3月23日(水)、ウクライナ大統領のゼレンスキーが国会演説を行った。

 細田衆議院議長は、その冒頭で、「ロシアの侵略により犠牲となられたウクライナ国民の方々に対し、心から哀悼の意を表するとともに、被害にあわれた方々及び祖国を追われ避難を余儀なくされている方々へのお見舞いを述べた。また、我が国の議会は、ロシアによるウクライナ侵略を非難する決議を行っており、ウクライナ及びウクライナ国民と共にあること、ウクライナの平和を取り戻すために、今後とも国際社会と一致結束して協力していく決意であることを述べた。さらに、ロシアの攻撃を受けて生命の危険のある中、キエフに留まり、国際社会に対して支援を訴えるとともに、国民を鼓舞し続けているゼレンスキー大統領の勇敢な姿勢に改めて敬意を表する」と挨拶した。
 

 ここで議長は日本国の国会議長として、今回のウクライナ紛争を、「ロシアの侵略」と決めつけている。他方の当事者であるロシアの言い分は一切聞いていない。一方的に決めつけている。しかも、ここでは彼の見解を述べているのではなく、日本国として決めつけた上で、ロシアを非難している。ロシアのプーチン大統領の言い分は、いささかなりとも聞いていない。まさに、一方聞きである。ここまで決めつけるのであれば、何故、他方の当事者であるプーチン大統領にも演説の機会を与えなかったのであろうか?与えたのであるが、彼が断ったというのであればそう国民に報告すべきである。そのような話は報道されていない。
 
 日本にとっては、ウクライナよりもロシアの方が大切な国である。ロシアの方が、良きにつけ悪しきにつけ、国としての関係の歴史は古い。領土問題を抱えたまま、これからこれを解決し平和条約を結ばなければならない。お互いに、この大きな問題を抱えたままである。一方のウクライナは、北朝鮮の核開発に協力しているなど、日本にとっては決して好ましくない行動を取っている。

 今回、これらの点を指摘する議員は、今までのところ、一人もいなかった。また、どこのメディアも指摘していない。学者や評論家も指摘しない。ただ、「これでは今後ロシアとの関係は更に悪くなったが、止むを得ない」との見解が指摘され、嘆く声だけが残った。

 この流れは、もちろん、奥の院・ディープステートに阿ったものであることはよく分かる。仕方がないのであろうか?少なくとも、ここまで踏み込まなくても、沈黙を守っておく方が良かったのではないか。事実関係がまだ分からないからである。ロシアは本当にウクライナを「侵略」したのか。少なくともプーチンはそう言っていない。
 彼は、「ウクライナは国内のロシア系住民を虐殺している」「そこにはジェノサイドが起きているので、彼らを救わなければならない、侵攻させた我がロシア兵は、そのための平和維持軍である」と言っている。今回日本の行動を正当化するためには、このプーチンの言い分を全て嘘だと断定する必要がある。アメリカを始めとする西側(ディープステート)はそう断定しているのであるが、日本もそれに歩調を合わせる必要があるであろうか。これでは日露関係は大きく後退し、せっかく安倍元総理が進めてきたロシアとの関係改善は、修復するのが困難となるかも知れない。

 2014年に始まったウクライナ東部での紛争を巡る和平交渉で、ロシアとウクライナ、ドイツ、フランスの首脳は、2015年2月にベラルーシの首都ミンスクで協議し、その結果を「ミンスク合意」としてまとめた。ミンスク合意議定書まで作った。これをゼレンスキーは破っているのである。ロシアとしては、もう力ずくで守らせると決意したのであった。

 ロシアのプーチンが訴えているのは、このロシア系住民の虐殺だけではなく、ウクライナに西側諸国が設置している生物兵器の研究所、生産設備、貯蔵所の撤去を求めているが、いっこうに聞く耳を持たないので、自ら破壊行動に出たと言っている。全て事前に通告し、現場にいる住民や、関係者を逃がすようにしているのを、ゼレンスキーは彼らに何も伝えなかったので、原因はゼレンスキーにあると言っている。

 こうしたプーチンの言い分も、可能な限り調査して、分からないことは分からないとして、分かる範囲の情報を、日本国民に知らせた上で、行動して欲しかった。今からでも遅くない、プーチンの言い分も国民に知らせる努力をして欲しいものである。「国際協調」と言う美名に隠れて、奥の院・ディープステートに阿ってはいけない。独立国としての矜持を保つ必要がある。双方の言い分を聞かないと、国際協調など望めない。