森 信三 運命をひらく 365の金言 5 「人生の真のスタート」

人生の真のスタート

 諸君らは生まれて20年、今こそここに
志を立てるべき時です。だが諸君!諸君らは、
誓って死後にも生きるような人間になろう、
という大志を立てたことが果たしてあると言えますか。
しかしこのような志が真に確立しない限り、
諸君らは真に深く自分の生命を愛惜するとは
言えないでしょう。何となれば、真の精神は
不滅であり、いかにに凡人といえども、その生涯を
深い真実に生きたなら、必ずやその死後、なんらかの
意味でその余韻を残しているからです。
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森 信三 運命をひらく 365の金言 6 「正師を求めよ」

正師を求めよ

根本方向の定まらぬ間は、如何に歩むも
畢竟じて益なし。
しかも人生の根本方向を教うるは、
正師において外になし。
人は真の「正師」に接すれば、生涯歩まずに
いられぬようになるものなり。
それゆえ人はかかる「正師」を、草を分けても探し求むべし。
人生の意義というも、ついにこの一事の外なかるべし。

森 信三 運命をひらく 365の金言 7 「私が信じるもの 2」

私が信じるもの 2

 第二にわたくしは民族を信じています。
この方は第一の「宇宙の大法」を信ずるほどには
行きませんが、しかし民族に対する根本的な
信頼は失いたくないですね。
尤もこの日本民族がどこまで真に信じられるか
どうかは、積極的には分からないわけですが、しかし
「宇宙の大法」に次いでは信じたいですね。
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森 信三 運命をひらく 365の金言 8 「生き方の種まき」

生き方の種まき

 皆さんが今日、種をまかねばならぬその種の
中味は何かということだ。それはね、幸福の種だ。
ある意味で、一番まちがいのない言い方をすると、
人生の生き方の種まきなんだ。それを、皆さんの
言いなれた言葉でいうと、幸せの種といえるだろう。

 しかしね、これは大事なことなんだから、
言っておくがね。幸せというものは、幸せを願ったら、
とかく与えられんものだということですよ。
これは今日わたしが、皆さんにお話ししたいことのうちの、
最も大切なことの一つです。

 幸福というものは、幸福を願ったら、かえって
与えられない。そしてもっとほかのことを願ったら、
その願いとして与えられるんだな。

森 信三 運命をひらく 365の金言 9 「三つの段階」

三つの段階

 すべての物事は、三段階に分けて考えることができましょうが、
この場合、最もいけないのは、口汚く叱りながら、
後になっても、一向悪かったと思わない人間でしょう。
次は事がすんでしまってから、「アアまで言わなくても
よかったのに」と後悔する人間。その次は、
怒りの言葉が出そうになったその瞬間「アッここだ!!
ここだ!!」と喰い止める人間というふうに、
大別してこの三種に岐れるでしょう。そして最後の、
まさに起ろうとするに先立って「イヤイヤここだ!!
ここだ!!」と自ら制し得る人、これはよほど
修養の至った人でないと、なかなかそこまではいけないですね。