再録 随想 伊路波村から22~中国

「私たちこそが 世界の中心民族だ!」という
中華思想が聞こえてきそうな最近のニュース。

なんだか中国との関係が悪くなりそうな事件ばかりが
いっぱい起きている。

急いで訪中の政府の役人さんたち。
そして中国を持ち上げる言葉の数々。

映画「靖国」のニュース。
15年ほど前 始めて中国に出向いた時 見た光景。

素晴らしい都市ビル群の 一本裏の道では
朝 鶏の首をはね その血を排水路にそのまま流す場面。

万里の長城の タバコやさんでタバコを勝った時に
とんできた おつり。

激しい国 中国には 王の移り変わりとともに
以前の勢力を皆殺しにするという 日本にはない
方法で 国政が変わってきたという事実がある。

最初の中国訪問の2年後 訪日を希望する
中国留学生の若者のために 二度目に訪れた上海では
もうすでに二年前の姿とは大きく変化した町をみた。

日本にあこがれ 18年前に来日し そのまま日本にいる
そのころの女性留学生にきいたことがある。

どうして日本に来たのか。

「ほんとはアメリカに行きたかったのだけれど むつかしくて。
それで日本にきました。日本に来たら 聞いていたのと
違って 日本人の方はどなたもやさしくて 町もきれいだし。
なんとか日本と中国の 両方のお役に立ちたいです。」

答えには なっていない。

本心は 貧困との決別だったかもしれない。

でも 今 物凄い変化を示す上海に 彼女は
帰ろうとはしていない。

国とは何か。
どうしてこの国に生まれたのか。

家族とは何か。
どうしてこの家族と一緒になったんだろうか。

時代とは何か。
どうして今に生かされているのか。

私たちの 旅は続いている。