随想 伊路波村から121〜全体の責任は我にあり

もし何もかも捨てることができて、
それを欲するなら、山へ行けばいい。
人がいないところ、人と接しないところ。

でもすこし人間に未練があるなら、
良寛和尚のように、人の声がすこし聞こえる
山中がいい。(笑)

どこかの国が戦争をしかけてきても、
どんなに世の中で自殺者がでても、
あらゆる界で不正が行われようとも、
驚くような事件が起ころうとも知ることもなく、
そしてむろん人の世で感じる感動や、
肉体的な喜びや、悲しみさえも覚えることもなく、
世の中のあらゆることから遠く離れたらどうだろう。

少しいつもより暑いとか、寒いとか、
爆弾が落ちたら、誰かが落としたとか、
まず目の前のことをあれこれ思うのだろうか。

何もなく寿命を終えることができたのなら、
世の中の全部の責任を覚えることもなく、
すべてがなくなっていくのだろうか。
自分さえも・・・。

個という存在が体験し、あれこれ思い迷い、
喜び、悲しみ、嘆き、味わい、打ち震える人生。

人間とは何か、現象とは何かの問いに
答えるものはすくない。
まして実証となるとさらに。

どんなことが起きても忘れないでと叫ぶような、
数々の記憶がある。
それでもそんな記憶でさえ劇的な事象が
かき消そうとする。

人が死のうとするかもしれないのに、
心の揺れていない存在をながめる。
ただぼんやりとシーンを見つめる。

人生をとぼとぼと歩いている人間という動物。
本質を知る時が死の時なのだろうか。

他の方からのあたたかいメールに
感謝でいっぱいになった。

【世界一風変わりなセラピスト】
by Dr. Joe Vitale(ジョー・ヴィターレ)  
www.mrfire.com
二年前に、ハワイに住む一人のセラピストの話を聞いた。

その人は触法精神障害者(訳注:刑法罰に問われたものの、精神障害を
理由に不起訴、減刑、あるいは無罪となった人のこと)の病棟に収容され
ていた人たち全員を、誰一人診察することなく癒したそうだ。

その心理学者は患者のカルテを読み、自分がどのようにしてその人の
病気を創りだしたのかを理解するために、自分の内側を見たのだそうだ。

彼が自分自身を改善するにつれて、患者も改善したという。
最初にこの話を聞いたとき、都市伝説だと思った。自分自身を癒すことに
よって他の誰かを癒すなんてことがどうやってできるだろう?

最高の自己改善の達人であったとしても、どうやって触法精神障害者を
癒すことができるだろう?
私には理解できなかった。論理的な話ではなかったので私は受け入れなかった。

しかし、一年後に同じ話をまた聞くことになった。

セラピストはホ・オポノポノと
いうハワイの癒しのプロセスを使ったのだという。初めて聞くものだったが、
忘れることができなかった。

もしその話が本当なら、私はもっと知らなければならなかった。
私は「完全な責任」とは、私の言動に対する責任は私にあるという意味だと
前々から理解していた。

その向こうのことは、自分の管理を離れていると。
ほとんどの人たちは完全な責任というものをそのように考えているのでは
ないかと思う。私たちは自分の行いに対して責任があるのであって、他の人
の行いに対してではない。

精神病の人々を癒したハワイのセラピストは、
私に完全な責任についての進化した新しい観点を教えてくれることになった。
彼の名はイハレアカラ ヒュー レン 博士。私たちは最初の電話でたぶん
一時間は話しただろう。

彼にセラピストとしての仕事の全貌を語ってくれるようお願いした。
彼はハワイ州立病院で4年間働いたことを話してくれた。

触法精神障害者を収容していた病棟は危険なところで、心理学者は月単位で
やめていき、職員はよく病欠の電話をかけてきて、やめていく人もいたそうだ。

人々がその病棟内を歩くときには、患者に攻撃されないように壁に背中を
くっつけて通ったらしい。

それは生活するにも働くにも訪ねるにも心地よい場所ではなかった。

レン博士は一度も患者を診なかったのだそうだ。彼は診療室を持って患者らの
ファイルに目を通すことには合意した。

それらのファイルを見ながら、彼は自分自身に働きかけた。彼が自分自身に
働きかけるにつれて、患者に癒しが起きはじめた。

「2、3月後には、以前は手足を縛られていた患者たちが、自由に歩くことを
許可されていました」と彼は言った。

「多量の投薬が必要だった人たちは、投薬をやめつつありました。そして
退院の見込みのなかった人たちが退院していったのです。」

私は畏敬の念に打たれた。
「それだけではありません」彼は続けた。

「職員が仕事に来ることを楽しみ始めたのです。常習的欠勤や退職は消え去り
ました。患者は退院していくし、職員全員が仕事に来るようになったので、最後
には必要以上の人数の職員が残りました。現在、その病棟は閉鎖されています。

ここで私は問わなければ気がすまなかった。

「それらの人々に変化をもたらすような何を、あなたは自分自身の中で行って
いたのですか?」

「私は彼らを創りだした自分の中の部分(パート)を癒していただけです」と彼は
言いました。

私には分からなかった。
レン博士は説明した。

あなたの人生への完全な責任とは、あなたの人生の中の全てが単にそれが
あなたの人生に存在しているというだけの理由で??あなたの責任なのだと。
文字どおりの意味で、全世界があなたの創造なのだと。

これはなかなか納得できるものではない。

自分の言動が自分の責任だということと、私の人生におけるあらゆる人の
言動の責任が私にあるというのは全く別の話ではないか。

それにもかかわらず、実際のところは、もしあなたが自分の人生の全責任を
負うならば、あなたが見たり、聞いたり、触れたり、その他どんな方法であれ、
あなたが経験する全てがあなたの責任なのだ。

それはあなたの人生の中にあるのだから。
これはつまり、テロリストの活動、大統領、経済??あなたが経験していて好き
ではないことを癒すのは、あなた次第だということである。

言ってみれば、それらは存在してはいないのだ。
あなたの内面からの投影である以外には。

問題は彼らに関するものではなく、あなたに関するものであり、それを変える
には、あなたはあなたを変えなくてはいけないのだ。

このことは把握するのも難しく、ましてやそれを受け入れて実際に生きることは
もっと難しいとわかっている。

非難のほうが、完全な責任よりもはるかに簡単である。

しかし、レン博士と話すにつれて私は気づき始めた。

彼にとっての癒し、そしてホオポノポノにおける癒しとは、あなた自身を愛する
ことなのだと。あなたが自分の人生を改善したければ、あなたは自分の人生を
癒さなければならない。

もしあなたが誰かを癒したければ、たとえそれが精神障害を持った犯罪者で
あってもあなたはそれを、自分自身を癒すことによって行うのだ。

どのようにして自分自身を癒すことに取り組んでいたのかと私はレン博士に
たずねた。

患者のカルテを見ていたときに、彼は具体的には何をしていたのだろう?
「私はただ『ごめんなさい(I’m sorry)』と『愛しています(I love you)』を何度
も何度も
言い続けていただけです」と彼は話した。
それだけ?
それだけ。
あなた自身を愛することが、あなた自身を好転させる最も素晴らしい方法であり

あなた自身を好転させるにつれて、あなたはあなたの世界を好転させるという
ことが判明した。

これがどのように機能するかの簡単な例をあげてみよう。

ある日、誰かが私を不愉快にさせるメールを送ってきた。過去そういう時には、
私は自分に感情的な反応を引き起こすものについてワークしたり、あるいは
意地悪なメッセージを送ってきた人に理を説こうとすることで処理したものだっ
た。

今回私はレン博士のメソッドを試すことにした。
私は「ごめんなさい」と「愛しています」を声に出さずに言い続けた。
特定の誰かに向かって言ったわけではなかった。私はただ愛の精神を呼び起こし

この外側の状況を創り出した自分の中を癒そうとしただけだった。

一時間もしないうちに同じ人からメールが来た。
彼はさっきのメッセージについて謝罪していた。私は謝ってもらうために外側に
何も働きかけをしていないことを覚えておいてほしい。
私は返事すら書いていなかったのだ。にもかかわらず、「愛しています」と言う
ことで、

私はどういうわけか彼を創り出していた自分の内側を癒すことができた。
その後、私はレン博士が開いたホ・オポノポノのワークショップに参加した。

彼は今では70歳で、優しい祖父のようなシャーマンと見なされていて、少々引き
こもりがちである。彼は私の著書『The Attractor Factor』をほめて くれた。

私が自分を向上させるにつれて、私の本の波動が上がり、人々が本を読むときに
皆それを感じるだろうと彼は語った。

要するに、私が向上すると、私の読者も向上するということだ。

すでに売られて外に出ている本についてはどうなんですか?と私はたずねた。

「それらの本は外にあるのではないよ。」彼が持つ神秘の知恵に私はとても驚い
た。
「未だにあなたの中にあるんだ」

つまり、外なんてないということだ。
この高度な技術を、それが値する深さとともに説明しようとしたら、本が一冊書
けるだろう。あえて言うなら、あなたがあなたの人生の中のどんなものでも改善した
いのなら、見るべき場所はただひとつ、あなたの中である、ということだ。

「あなたが見る時は、愛をもって見るように」

http://www.mypress.jp/v1/i/story.php?writer_id=jj00&story_id=90608