随想 伊路波村から113〜それぞれの生き方

なんだか朝からワクワクしていた。

今夜は プライナスのナナライブ最終日。
なにが起きるのかもうすでに心は知っていた。

初冬の名古屋駅に人々は集まっていた。
100人くらいだろうか。
先週の土曜日 偶然に通りかかったカナダの
英会話教師 ショーナリーも来ていた。
カナダ人 嘘つかない!

言葉もわからないような唄なのに、
日本人でもわからないのに。
最終を惜しむかのように 2部に渡ったコンサートは
過ぎていった。

始めてきたという 隣に位置した女の子は、
「こころのうた」にほとんど号泣していた。
そのあともずっと しゃくりあげていた。
大丈夫だろうか。

最後のアンコール曲に選んだのが、
「レデイーバード」
ボーカルのまみちゃんが始めて作詞作曲した唄だ。

歌う前まみちゃんは めずらしく 聴衆にむかって長くしゃべった。
「小さい頃から ずっと 唄をうたいたくて、中学校
高校とみんなに呼びかけたけど、仲間ができませんでした。
本格的にうたい始めたのが プライナスとであってから。
22歳の時。すこしおそいくらいです。
その前はこんな歌ばかり歌っていていいのだろうか、と
迷ったこともありました。
でもずっとやっていて良かった—–。
みんなも 遅すぎるってことない。
やりたいことをやっていいと思います。」

涙声だった。聞く人たちの 若者の透明な涙が
きれいだった。

10代、漠然とした状態で東京にいたある日のまみちゃんを
訪ねた。飲み屋さんでイッパイお肉を頼んで、
「こんな おいしいもの 久しぶり!」
といって ガッツくまみちゃんをみていて、
そんなに苦しいんだったら、戻ってくればいいのにと思った。

そして名古屋に戻って 今のプライナスのメンバーに出会う。
それからプライナスは大きな変化を迎えていく。

喜びの波動は人々に共感し、多くの方が歌声と演奏に耳を
傾けてくださるようになってきた。

そしてラスト ストリートライブの日 彼女は感謝で胸が一杯に
なったのだろう。「サンキュー」からもうすでに胸が詰まっていた。

たくさんの方の大きな愛につつまれて、共に歩むメンバーに
恵まれて、進んでいけよ まみちゃん。

コンンサートはいつまでも別れを惜しむ人々の輪が
いくつもの模様を描いて 終わりを知らなかった。