令和5年 10月16日 中日朝刊 中日春秋 マリリンモンロー

俳優のオーソンウエルズが映画関係者が集まるパーティーでこんな場面を目撃した。マリリン・モンローーのまわりに大勢の男が集まっている。一人の男がモンローの服を突然破ったという。ひどい話だがビックリするのはモンローの反応か。その屈辱にもモンロー笑ったというのである。許したわけではない。笑うことで怒りを封じ込めたように見えたという。笑うしかなかったのだろう。ライバル俳優のひしめくハリウッド。その中にあって役を勝ち取らねばならない。悪質な行為とはいえ、騒ぎ立ててお偉いさんの興をそこねたくない。モンローの怒りに震えた笑顔を想像する。その顔はハリウッドのおぞましい歴史のシンボルだ。・・・・

今朝考えました。実際に見ていないのだからなんともいえませんが、もしモンローが心から自然に笑っていたのならすごい人物と思えました。自分の中に敵意というものがないとしたらそれは自然に笑うしかない出来事だと感じたからです。もし敵対する敵意があればそれは笑うどころか、ぐっと怒りをこらえた不思議な笑顔に見えたことでしょう。

どうぞ前者でありますように。
モンローさん。

真実はモンローさんだけが知っています。