人生は目に宿る
人の心は目を見ればわかります。
生き方はちゃんと目に宿っています。
目を見なければ、交流ははじまりません。
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人生は目に宿る
人の心は目を見ればわかります。
生き方はちゃんと目に宿っています。
目を見なければ、交流ははじまりません。
命の重さ
士の命は、山よりも重い。
ときには、羽根よりも軽い。
私が言いたいのは、死は問題じゃないということです。
何のためにその命を使っているのか
ただそれだけが問題なんです。
大切な人のために今日できること
今日という日は二度ときません。
死ねば、再びこの世に生まれることはありません。
だから大切な人を喜ばせるために、
少しの時間も無駄にしちゃいけないんです。
人生は四季を巡る
もうすぐこの世を去るというのに、
こんなにおだやかな気持ちでいられるのは、
春夏秋冬、四季の移り変わりのことを考えていたからです、
春に種をまいて、夏に苗を植え、
秋に刈り取り、冬がくれば貯蔵する。
春と夏にがんばったった分、
秋がくると農民は酒をつくって、
なんなら甘酒なんかもつくって、
収穫を祝い、どの村でも歓喜の声があふれます。
収穫期がやってきて、きつい仕事がようやく終わった。
そんなときに、悲しむ人なんていないでしょう。
私は30歳で人生を終えようとしています。
いまだ、何一つできたことはありません。
このまま死ぬのは惜しいです。
がんばって働いたけれど、
何も花を咲かせず、実をつけなかった。
ですが、
私自身のことを考えれば、
やっぱり実りを迎える時期がきたんだと思うんです。
“吉田松陰 「覚悟の磨き方」 池田 貴将 著 43” の続きを読む
ご両親への手紙
平生故郷のご両親に手紙を書くことも
少なかった松陰ですが、死の日が決まり
お別れの手紙を送ります。
松陰がご両親に送ったうたです。
「親思う心にまさる 親ごころ
きょうの音づれ なんと聞くらん」
子が親を思う心に はるかにまさる
親が子を思う気持ち
今日の私の死のしらせを
お父上様お母上様はどのような気持ちで
聞かれるのであろうか。
辞世の句です。
「身はたとひ 武蔵の野辺に 朽ちぬとも
留め置かまし 大和魂」
私の身がここで滅んだとしても、
私の日本人としての魂は、ここに置いていくことにします。
了
「覚悟の磨き方」
超訳 吉田松陰
編訳 池田 貴将 から