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「五輪を政治利用するな」との声はいつも叫ばれる。今は、来年２月４日から始まる北京五輪を「ボイコットせよ」という声が盛んに上がっている。中華人民共和国（中共）の新疆ウィグルでの人権問題を理由に「中共を懲らしめろ」というのである。勿論、中共のしていることは宜しくない。しかし、だからと言って「ボイコットしろ」と言うのは、まさに「五輪を政治利用」していることになる。
「ボイコットしろ」との声が大きいと言うことは、メディアが盛んに叫んでいるからである。メディアが叫んでいると言うことは、奥の院・ディープステートが叫んでいるのである。しかし、そもそも中共は奥の院・ディープステートが生み育てた国家（今では世界のジャイアン）であるから、今の中共のしていることは、奥の院・ディープステートのさせていることであり、これまでは少なくとも中共のその行動は、長年見て見ぬ振りをしてきたのである。決して今に始まったことではない。
８年前の２０１４年２月、ロシアのソチで開催された五輪では、当時のアメリカ大統領バラク・オバマは、同性愛者であることを公言している二人のスポーツ界のスターを、アメリカ代表団に指名し、同時に、政権の現職の要人は一人も指名しなかった。これはその年、同性愛宣伝禁止法を制定したロシアに対する抗議のメッセージであった。従って、その裏には、奥の院・ディープステートが同性愛を盛んに奨励している事情が見て取れる。
またこの時、フランスのフランソワ・オランド大統領やイギリスのデービッド・キャメロン首相ら欧州連合（EU）各国の首脳も、ソチ五輪の開幕式への出席を見送ることに決めていた。この時、彼らはロシアに対し、ソチ五輪を政治利用している。
この当時、ロシア五輪委員会のアレクサンドル・ジューコフ会長は「五輪自体に何の影響も及ぼすものではない」と述べた。ロシアのメディアによると「ジューコフ会長」は、「五輪はスポーツ選手たちの競技会であり、それ以外のことは全てオプションだ､重要なのは競技会自体で、世界の指導者が２０人か３０人集まるかどうかではない」と語った。
同性愛者宣伝禁止法の制定により、ロシア当局が更に広範囲に同性愛者を「弾圧できるようになることを懸念する」欧米の人権団体や著名人らは、欧米の指導者たちのソチ五輪開幕式ボイコットを支持している。何だか、今の北京五輪を前にして起きているボイコット運動にそっくりである。奥の院・ディープステートが五輪を開催し、彼らがそれを政治利用し、騒ぎを大きくしていることは何ら変わらない。同じ口が「五輪の政治利用反対」と叫んでいるのである。
プーチン露大統領を批判する曲をロシア正教会の聖堂で演奏してフーリガン行為（サッカーの試合会場内外で暴力的な言動をする暴徒化した集団行動）で有罪となり、服役していたロシア人女性パンクバンド「プッシー・ライオット」のメンバーのナジェージダ・トロコンニコワさんも、恩赦法によって釈放されるやいなや、開会式ボイコットへの支持を表明した。
ロシア国家が制定した法律をあくまでも否定するのである。そこには、相手がロシアだから、相手がプーチンだからという側面がある。プーチン大統領の政治を妨害する、ロシアの国家破壊行動を意図したものである。まさにプーチン虐めのための政治利用である。
しかし、ジューコフ会長は､ソ連のアフガニスタン侵攻に当時の西側諸国が抗議した１９８０年のモスクワ夏季五輪のように、大会自体のボイコットを真剣に検討している国はないと明言した。更に、オバマ大統領は２００９年の大統領就任以来、五輪の開幕式には一度も出席したことがないとも指摘した。
要するに、五輪自体が今では政治利用をして開催し、政治利用で騒動を起こし、政治利用してその国の内政に干渉しているのである。日本政府も、今北京五輪をボイコットし、その一方では北京の新疆ウィグルの人権問題に関する非難決議はしないとしたら､何らかの取引をしているように見える。
いずれにしても、五輪そのものが奥の院・ディープステートの世界支配のための一つの道具に過ぎないことを認識しておく必要があるように思う。そこに参加する選手を利用するのである。それに余り踊らされないようにすべきである。