およそ3200年前、エジプトで奴隷となっていたイスラエルの民は、指導者モーセによってカナンの地へと導かれました。広大な荒野をさまよい歩く民の先頭には、常に神の雲が出現したことが旧約聖書に記されています。「神の雲」は導きの象徴であり、その「動く」雲を見上げながら、群集は荒野を旅しました。この奇跡的なイスラエルの「出エジプト記」が、天岩戸神話と神楽歌に関連しています。
神楽歌の一句である「八雲立つ 出雲」(ヤツメサスイツモ)は、「八」が神を意味することから、「神の雲が出現する」と理解できます。そして「出雲」はヘブライ語で「先頭」を意味することから、群集の最先端を神が導く姿が「出雲」と表現されたのでしょう。そしていつしか、民が導かれた約束の新天地も、「出雲」の国と呼ばれるようになったのです。
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